アスベストは早くからその存在に気づかれ、スーダンやケニアでは石器時代から使用していた形跡があります。日本でもすでに平安時代の書物に登場していました。 アスベストの工業的利用が始まったのはイギリスの産業革命期であり、蒸気機関の保温・断熱材、ピストンのパッキンとして用いられたことによって注目を浴びました。 20世紀初頭にはアスベストの工業用原料としての特性がほぼ解明され尽くし、これ以降は様々な工業用品に使用されてきました。 特に、戦争においては軍艦や戦車、軍用機などの分厚い断熱材、防毒マスクのフィルター用青石綿など、アスベストが大量に使われました。 全世界のアスベスト産出量は1970年代後半にピークを迎え、年500万トンにものぼりました。しかし欧米各国が使用禁止に踏み切ってからは、年間産出量も減少してきています。 |