日本でのアスベスト被害状況は、ほんの一部しかわかっていません。 最初に被害が出たのは、アスベスト製品を製造していた労働者であり、1940年までにアスベスト紡織労働者を調査した結果、12%がアスベスト肺、あるいはその疑いがあると診断されています。 厚生省の人口動態統計では、1968年からアスベスト肺の項目が設けられ、以後26年間に253人がアスベスト肺で死亡したとされています。 しかし実際にはさらに多くの死亡者がいると推定されます。 アスベスト肺以上に問題になってきているのが、肺がんや悪性中皮腫です。 アスベストの発ガン性が認知され、1971年労働者の発ガン予防対策が法律で規定されました。 しかし、日本ではアスベストに関する認識が低いために、労災申請しない場合が多いようです。 また、日本より早くからアスベストを大量に使用してきた欧米諸国では、すでに膨大な犠牲者が出ています。 イギリスの研究では、中皮腫死亡者は2020年ころまで増え、ピーク時には年間3000人に達するとされています。 |