今、ここに、アスベスト?(アスベスト対策、建築と有害物質管理を考える)

今、ここに、アスベスト?(アスベスト対策、建築と有害物質管理を考える)

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今、ここに、アスベスト?


東京都知事の石原さん、オリンピックはどうするんでしょうね。だけどオリンピック開催の運びになったとしても、施設や道路建設に一昔前のようなアスベスト材料の使用はあり得ない、と考えてよさそうです。

なにしろ環境に配慮しないイベント、これは今や存在しないというのが世界的傾向です。特に人の集まる都市部では、各方面からの監視の目が厳しくなる傾向があります。だからこれからのアスベスト対策は、改築されずに残る地方の建築物まで確実に目が行き届くことを望みたいものです。

ところでオリンピック以外で東京都内の話題と言えば、 [築地市場]の移転問題があります。移転の主な理由は、「手狭になったから」、「都心の一等地を占領してもったいない」、とか色々言われていますね。

その中で石原サン、移転建て替え理由の中で市場の建物に使われているアスベストを取り上げていました。確かに『施設の老朽化』問題はアスベストの問題でもあります。築地市場が建てられた年代を考えても耐火性、強度確保の要求に応じて当然のようにアスベストは使用されていたはずです。

もっとも、実際にアスベスト繊維の飛散が検出なんかされていたら営業が続けられないわけで、場内のアスベスト濃度検査も行っていると考えられます。それでも微量でも長年に亘って体内に蓄積されたら、と考えると不安は拭いきれない、といったところでしょうか。古いものは何でも壊して新しくすればイイ、というワケではありませんけど、老朽化は飛散の危険性を確かに高めます。アスベスト飛散防止の固化、湿潤化、など対策が講じられても危険が全く無くなることにはなりません。

築地市場に見られるような施設の老朽化は全国各地に散在していると考えられます。前述した「改築されずに残る地方の建築物」は、建て替え財源の問題などでまだまだ現実に存在しています。

中でも注目すべきは、「駅」です。実際に通勤、通学に使う駅舎の構造を思い浮かべて見ましょう。

改札を入って、真っ直ぐなプラットホームを歩いて連絡階段に向かう・・・・・・。そのプラットホームの屋根ですが、未だに波形石綿スレート製のものが使われているところがあります。

そして連絡階段の壁とかトイレの天井などに平板石綿スレートが使用されています。そもそもスレート状にした場合、強度を保つ意味でアスベスト含有率が高くなります。

その割合を見てみると、高いものだと30パーセントに届こうかというものもあるのですからこれは脅威です。

毎日利用する場所であることを考えるとJR、私鉄の皆さんには十分な対策をお願いしたいですね。勿論、駅以外にも倉庫などには波形石綿スレートや平板石綿スレートが多く使用されていることが多く、ことアスベストに関して言えば、やはり古い建物は要注意ということになるようです。

一応、固化したアスベストが飛散する危険性は低いとされていますが、風雨で劣化した際の状態について詳細な調査が必要なんじゃないでしょうか。鉄道関係ではこの他に、線路の敷石、また電車のブレーキやクラッチ部分にアスベストが使われています。耐熱性、耐摩擦性を考えるとやっぱり有効な素材のようでして・・・・・・。

でも、鉄道線路沿線の住民に危険が及ぶかという問題は、ポイントごとに空気中の濃度測定が行われてクリアされているようです。

これは道路の沿線も同じです。敷設されている道路にはモルタルやアスファルトの混和剤として凍結防止などの目的でアスベストが使われています。また、自動車にもブレーキやクラッチ部分にアスベストの使用があります。

だから特に幹線道路周辺は心配になりますが、今のところ健康被害に至らない測定値が検出されています。あとは全国を網の目に走っている鉄道、道路について全ての箇所で危険性が無いか、綿密にアスベストの測定を行って欲しいものです。

そもそもアスベストというのは、建材に使用されている、いないに関らず、我々が居住する室内や大気中に自然に存在します。

また、水道水にも含まれていますが、これは繊維が大きすぎて体内に残存することはないとされています。空気中のアスベストに関して言えば、基準値以下であることを確認する十分な監視体制が、今、一番必要とされているということになるでしょう。     

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