アスベストの種類(アスベスト対策、建築と有害物質管理を考える)

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アスベストの種類


アスベスト(イシワタ・セキメン)は大きく「蛇紋石綿」と「角閃石綿」の二種類に分類されます。それぞれのイシワタには形状、性質に差異が見られ、有害性にも強弱があるとされています。

 蛇紋石綿は(クリソタイル)と呼ばれる物質を指します。綿のように柔らかい性質を持ち、日本ではこのクリソタイルから作られる石綿のことを(白石綿、温石綿)と言います。その加工しやすい柔軟性から最も利用されることの多いイシワタで、世界中で生産されるイシワタの90パーセントがこのクリソタイルから作られたものです。2004年10月に使用が禁止されましたが、ごく限られた用途に限り2006年まで使用が認められていて、その後2008年までには全面禁止される予定になっています。

角閃石綿の中にはクロシドライト(青石綿)をはじめとしてアンソフィライト(直閃石綿)、トレモライト(透角閃石綿)があり、この他、アモサイト(茶石綿)、アクチノライト(陽起石綿)などの種類があります。

アスベストの種類はこのように全部で6種類、その中で蛇紋石系に属するのがクリソタイル、その他は角閃石系ということになります。工業的に使われているのは主にクリソタイル(白石綿)、アモサイト(茶石綿)、クロシドライト(青石綿)の3種類です。
この中で最も毒性が強いとされるのがクロシドライト、青石綿です。針状に尖った繊維を持ち、クリソタイルのようなやわらかさはありません。アスベストの吸入と肺がん・中皮腫の発生率の関係が指摘されていますが、一般に、「繊維が細くて長いほど発がん率が高い」とされています。

クロシドライトはこの条件に最もよく当てはまり、その毒性の強さから1995年から使用も製造も禁止されています。定められた労働環境中の粉塵濃度もクロシドライトについては他のイシワタに比べて十倍という厳しい数字が課せられています。アスベストの健康への被害を考える上では、この「クロシドライト」が最も脅威となる物質であるのは間違いないでしょう。他のイシワタ、特に工業製品として使用されてきたものに関しては同様に健康面への懸念が指摘されており、実際に生産の中止や使用の規制が行われています。しかし、やはり工業製品として使用されることの多いアモサイト(茶石綿)を例にとって考えてみると、喫煙者の場合、日常的に肺の内部に吸引するタバコの方が発ガン性をはじめとする人体への有害性が高く、人体への脅威になるとアモサイトの危険性を低く評価する説もあります。        

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