アスベストによる健康被害の症状(アスベスト対策、建築と有害物質管理を考える)

アスベストによる健康被害の症状(アスベスト対策、建築と有害物質管理を考える)

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アスベストによる健康被害の症状


アスベストが原因で発症する病気には、肺線維症(じん肺)、肺がん、悪性中皮腫があります。いずれも呼吸器系の疾患ですが、一見、呼吸器とは関係ないように思える部分に特有の症状が現れる場合があります。厚生労働省が提示するアスベストによる健康被害の症状としては、

 ・ 息切れがひどくなった場合
 ・ せきやたんが以前に比べて増えた場合やたんの色が変わった場合
 ・ たんに血液が混ざった場合
 ・ 顔色が悪いと注意された場合や爪の色が紫色に見える場合
 ・ 顔がはれぼったい場合、手足がむくむ場合や体重が急に増えた場合
 ・ はげしい動悸がする場合
 ・ かぜをひいて、なかなか治らない場合
 ・ 微熱が続く場合
 ・ 高熱が出た場合
 ・ 寝床に横になると息が苦しい場合
 ・ 食欲がなくなった場合や急にやせた場合
 ・ やたらに眠い場合


 などがあります。これらの何れかに該当する場合、放置せずに近くの労災病院、或いは専門医療機関の診察を受けた方が良いでしょう。

現在、症状が見られなくてもアスベストによる健康障害は潜伏期間が数十年に至ることを考慮して、厚生労働省はアスベスト(石綿)と接する作業に従事していた経験を持つ人に対して年に一度の胸部レントゲン撮影を推奨しています。しかし、疾患がレントゲン撮影の画像に出てこない場合も多く、各種の検査体制が整った専門医で見てもらったほうが安心できると思われます。

アスベストは飛散したものを吸引することで健康被害が生じます。その対策として、現在では労働安全衛生法や大気汚染防止法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律などで飛散防止が図られています。それでも「アスベストを吸い込んだ可能性があるのでは」と懸念される場合は、都道府県労働局又は労働基準監督署で相談を受け付けています。倉庫などの屋根に使われるスレートのような建材の他、壁面など多くの製品に使用されていたこともあり、業種によっては職場で知らずにアスベストを吸っていた可能性が指摘されています。

また、職業上アスベストと接していなくても、住居が工場などに近接していた場合、子供の頃に廃工場、廃屋などに出入りしていた為に健康被害が生じたという例もあります。最初に挙げた各症状に当てはまる場合はもちろん、職場環境、住居環境など少しでも思い当たる場合は労災病院などの専門医、そして都道府県労働局又は労働基準監督署の相談窓口に助言を求めてください。 

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