学校におけるアスベスト(アスベスト対策、建築と有害物質管理を考える)

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学校におけるアスベスト


安価で耐久性に優れたアスベストは、学校施設においても使用されていました。吸音等を目的として天井等に吹き付けアスベストが使用されていた他、建材としてその耐火性も防火の面では有効な資材でした。今ほど健康被害との関連性が明確でなかった時代、火災の場合に備えて少しでも安全性を高めるためには、ある意味、やむを得ない選択だったかもしれません。

社会背景としては、急激な子供の数の増加に伴う新校舎の建設が各地で行われたという事情もあります。これは高度経済成長期の飛躍的なビル建設の増加とよく似ています。限られた予算と期間内に完成させる必要があり、その際に安価であることに加えて加工が容易な、しかも防火対策としても有効なアスベスト資材が重宝されたというわけです。

そして現在、多くの子供たちが生活する場で使われたアスベストは、大きな問題として意識されるようになりました。深刻な健康被害の要因となる物質として子供たちが学校でその脅威に晒されていることが明らかになったのです。アスベストの脅威を取り除き、学校を子供たちが安心して学び生活できる場にするため、文部科学省は吹き付けアスベストの使用状況を緊急に調査し、除去に努めています。

その一環としてアスベスト対策工事については公立学校施設整備費国庫補助制度における大規模改造事業の補助対象工事とされています。アスベストの除去が資金面で滞らないように配慮した結果だと言えるでしょう。また、工事の内容も関係法令や関係省庁からの通知、技術指針等を都道府県教育委員会等へ通知することを義務付け、改修工事に際して子供たちの環境を考慮したアスベスト除去の適切な工事が行われるような指導がなされています。文部科学省の行うアスベスト使用状況調査は、学校以外の全国の公立社会教育施設(公民館・図書館・博物館・青少年教育施設など)にも及んでいます。

実際に学校を中心としたそれらの施設では、どのような場所にアスベストが試用されているのでしょう。まず建材を見ると、 屋根材・防水材から窯業系サイディング外壁材、内装の天井材、壁材、床材など、また工事で使用するシール材やパッキング材の製品にも使用されていることが分かっています。それ以外では壁紙、廊下の塩化ビニール樹脂などに混ぜて使用されています。特に校舎の廊下などの場合、児童・生徒の使用で頻繁に表面が研磨され、混ぜて使用されたアスベストが飛散するおそれのあることが指摘されています。

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