身の回りにあるアスベスト(アスベスト対策、建築と有害物質管理を考える)

身の回りにあるアスベスト(アスベスト対策、建築と有害物質管理を考える)

TOPページ アスベストとは > 身の回りにあるアスベスト

 

身の回りにあるアスベスト


昨今、健康被害が取りざたされているアスベストですが、日常生活の身近な製品にも多く使用されてきました。その理由はやはり長持ちすること、耐久性です。その優れた特性を詳しく見ると耐摩擦性、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性など幅広く、今ほど有害性が指摘されなかった時代に多方面で利用されたのは当然だったのでしょう。

特に大量に使用されたのは建築関係で、日本では高度成長期にビルの断熱保熱などの目的で大量に消費されました。学校や官公庁の建物など一定の規模を持つ建物では、防音・断熱の効果を発揮するアスベストは有効な建築資材だったのです。
私たちの日常生活に関係する住居を考えた場合、通常、一般の戸建て住宅でアスベストそのものを建材として使用することはありません。しかし、耐火性を確保するために吹き付けアスベストが使用されていることが考えられます。それと屋根材、壁材、天井材等としてアスベストを含んだセメント等を板状に固めたスレートボードなどが 使用されている可能性があります。その他に屋根瓦、屋根用波板、石膏板、天井用化粧板 ガスケット、シーリング材、パッキングなどもアスベストを含む場合があります。その部分が露出していると、年月による劣化でアスベスト繊維が飛散する危険性はないのか心配ですね。

でも、固めたスレートボードや天井裏・壁の内部にある吹付けアスベストから通常の使用状態で室内に繊維が飛散する可能性は低いと考えられます。外気にさらされる屋根瓦、屋根用波板などもアスベストが飛散するに至る状態は考えにくいとされています。但し、建物の解体時にはアスベストの飛散を防ぐための細心の注意が必要とされるでしょう。その他、身近な施設の中ではマンション等の駐車場で使われている場合がありますが、これも住宅内部と同様、通常の使用の中でアスベスト繊維が飛散しないように点検・整備が行われています。

建築関係以外でアスベストの使われた可能性のある製品を見てみましょう。自動車や鉄道車両のブレーキパッド、クラッチ板、これらは耐火性、耐摩擦性を考慮してのもので、同様の使用例は自転車のブレーキ部分にも見られます。そして道路の凍結防止等を目的としたモルタルやアスファルト混和材としてアスベストが使用されています。

身近な家庭用品に目を向けると、中でも内部が高温になる電化製品は、その耐火性からアスベストが使われている可能性が高くなります。トースターやストーブのヒーター保持の部分をはじめとしてエアコン、冷蔵庫の一部の商品、そしてガス湯沸し器、給湯器などにも使用報告例があります。これらアスベストを使用した商品を製造したいずれのメーカーも、代替物質の開発によるアスベスト根絶に向かっています。

ページトップへ↑